飽和脂肪酸
飽和脂肪酸の役割
飽和脂肪酸は体内でも合成できるのでとりすぎると中性脂肪やコレステロール濃度が上がる。
飽和脂肪酸を多く含む食材
飽和脂肪酸のひとつ、パルミチン酸は牛の脂肪であるヘットや豚の脂肪ラード、乳脂肪のバター、卵など動物性の脂質。
常温では固形の脂。
不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸の役割
コレステロール値を下げる作用がある。
不飽和脂肪酸を多く含む食材
魚類や植物油に多く含まれる。
常温では液状。
不飽和脂肪酸の種類
・一価不飽和脂肪酸
・多価不飽和脂肪酸
に分けられる。
多価不飽和脂肪酸には
・n-6系列の脂肪酸(オメガ6)
・n-3系列の脂肪酸(オメガ3)などの種類がある。
必須脂肪酸
体内で合成できない以下3つを必須脂肪酸という。
①リノール酸
大豆油、コーン油、サラダ油などの植物油に豊富に含まれている。
※リノール酸とα-リノレン酸は1:1で摂取するのが理想的。
現代の食生活ではリノール酸がα-リノレン酸に対して過剰に摂取されている。
リノール酸の過剰摂取は、血小板を凝集させ、血栓を作るため、脳梗塞、心筋梗塞、肺梗塞などの病気の原因になりやすい。また乳癌、前立腺癌、卵巣といったホルモン系の癌の最大の因子でもある。
②α-リノレン酸
フラックス油、エゴマ油、魚油、シソ油、アーモンド、クルミ、ピスタチオ、魚介類、海藻などに豊富に含まれている。
※エゴマ油は酸化を避けるために、加熱しないこと!
ドレッシンなどとして生で、少量ずつ毎日食べるのがおすすめ。
※ドレッシングにしたら酸化しないように30分以内に食べましょう。
③アラキドン酸
ごま油、ベニバナ油、えごま油、ナタネ油など植物油に含まれている。
その他の重要な不飽和脂肪酸
④ドコサヘキサエン酸(DHA)、イコサペンタエン酸/エイコサペンタエン酸(IPA、またはEPA)
魚油中に多く含まれる不飽和脂肪酸。
マグロ、サバ、イワシ、サケなどの青魚に多く含まれ、血液をサラサラにする。
中性脂肪を低下させて脂質異常症を予防し、動脈硬化や虚血性心疾患の発症を抑える。
ダイエットで脂肪が気になる方は飽和脂肪酸(動物性脂質)を控えて不飽和脂肪酸を摂るのがおすすめです。
おまけ
健康のために、体に悪い影響を与える酸化した油とトランス型油はできるだけとらないようにしましょう。
酸化した油のキケン
酸化した油をとると、活性酸素の一種・過酸化物質が血中に発生します。
過酸化物質はLDLコレステロールを酸化させ、動脈硬化の原因になります。
炒めたりして時間の経った料理、特に油をたっぷり吸い込んだ揚げ物は食べるのはやめましょう。
ポテトチップスなどのスナック菓子も体によくありません。
サラダ油、大豆油、オリーブ油などの油は加熱するとすぐに酸化します。
加熱しても酸化しにくいのは
①質の良い菜種油
②バター(飽和脂肪酸)
③ラード(飽和脂肪酸)
④玄米油
⑤ごま油
トランス型油のキケン
マーガリンやショートニング、ファットスプレッドの原料であるトランス型油は人間の体内で全く代謝されない人工的な食品です。
トランス型の油は、体の細胞の細胞膜に入り込み、細胞膜や細胞の働きを狂わせます。
また体内ではビタミンなどの栄養物質を食い荒らす、悪玉脂肪。
プラスチックやセルロイドを溶かしたような油がトランス型油ですので、少量でも摂らないようにしましょう。
参考文献