鉄
特に女性は、月経中、妊娠中や授乳期にたくさん鉄が使われるので、毎日摂っていくことが大切です。
鉄の役割
・ヘモグロビンの材料となり赤血球をつくる。
ヘモグロビンは肺から取り込んだ酸素を全身の細胞に運ぶ。(=機能鉄)
・神経伝達物質であるセロトニン、ドーパミン作成の際の補因子になる。
・ノルアドレナリン:やる気をつくる
・ドーパミン:快楽をつくる
・肝臓、骨髄、脾臓で貯蔵され(=貯蔵鉄)、出血などで鉄が失われた時に血中に放出される。
・筋肉の成分として結合して酸素の運搬と貯蔵を行う。
・体内で発生する活性酸素を除去する。
・エネルギー代謝の最終段階の電子伝達系に関わる。
鉄が不足すると起こる問題
・鉄欠乏症貧血
・めまい、立ちくらみ
・動悸
・集中力の低下
・体温調節機能の障害
・免疫と感染抵抗力の低下
・酸素が全身に行き渡らなくなり顔が青白くなる
鉄の特徴
・体内に取り込まれた鉄はほとんど体外に排泄されない。
※女性の場合は月経によって毎月鉄が失われ、妊娠や出産でも多く失う。
・ヘム鉄は非ヘム鉄の約5倍吸収率が高い。
(※著書「うつ消しごはん」では約10倍吸収率が高いと書かれています。)
ヘム鉄は動物性食品(赤身肉)を食べると効果的。
非ヘム鉄は植物性食品、乳製品や卵に含まれる。
吸収力は低いがビタミンCと一緒に摂取すると高くなる。
・経口で摂取する限り、過剰摂取については心配ないが、非ヘム鉄剤や無機鉄剤を服用した場合に胃腸症状や便秘が起こりやすくなる。
(※鉄の注射などを過剰にした場合は活性酸素が発生してしまうので注意。)
・ビタミンEと同時摂取すると吸収が悪くなる。
鉄を多く含む食材
▶【動物性ヘム鉄】(吸収率は10〜20%)
・レバー
・赤身の肉
・カツオ、マグロなどの赤身の魚
・貝類
・小魚
▶【植物性非ヘム鉄】(吸収率は1〜5%)
・大豆
・ほうれん草
・小松菜
・穀類
・プルーン
※ほうれん草だけで必要な鉄を摂取するためには、毎日バケツ4杯くらいの量を食べなくてはならない計算になる。
※昔から鉄の女王と呼ばれていたひじきは、昔ながらの製法で鉄の釜を使って蒸す場合は効果があるが、ステンレス製の鍋を使うと約9分の1になってしまう。
▶【ヘム鉄】&【非ヘム鉄】
・卵
ヘム鉄の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)
性別 | 男性 | 女性 | ||||||
年齢(歳) | 推定平均必要量 | 推奨量 | 耐容上限量 | 月経なし | 月経あり | 耐容上限量 | ||
推定平均必要量 | 推奨量 | 推定平均必要量 | 推奨量 | |||||
18〜29 | 6.5 | 7.5 | 50 | 5.5 | 6.5 | 8.5 | 10.5 | 40 |
30〜49 | 6.5 | 7.5 | 50 | 5.5 | 6.5 | 9.0 | 10.5 | 40 |
50〜64 | 6.5 | 7.5 | 50 | 5.5 | 6.5 | 9.0 | 11.0 | 40 |
65〜74 | 6.0 | 7.5 | 50 | 5.0 | 6.0 | 40 | ||
75以上 | 6.0 | 7.0 | 50 | 5.0 | 6.0 | 40 |
※単位:mg/日
※参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」